時計仕掛けの宝石箱

少々面倒臭くなってきたな、と思ったが、響也はこの状況で不満を出すような馬鹿ではない。

「いいえ、教室にいました。他の生徒は知りませんが」

「私も見ていません」

「そうか‥」

うなだれる教師に、蜜羽は律義に声をかける。

「大丈夫ですよ!ほら、もしかしたら資料室とかで何か探しているうちに時間を忘れちゃったとか‥
‥そ、そんな事かもしれないですよ」

‥蜜羽。それはフォローになってないから。

響也は軽く目を瞑った。

元気づけるなら、せめて行き違いになったとか、説得力のある事を言えば良いだろう。

しかし、響也のように思うだけで何も言わないよりは、マシなのかもしれない。

「‥ったく‥‥の焼ける‥‥だから‥」

ブツブツと何事かを呟いている教師の言葉に、響也は顔をしかめた。

‥まさか、この状況になって赤城を責めているのではなかろうな。