時計仕掛けの宝石箱

気を使われてしまっている事に多少の罪悪感を覚えながら、響也は頷く。

「あぁ、まぁ大丈夫だ。」

「そっか」

「おい、三鷹、月崎」

なら良かったと続くはずだった蜜羽の言葉を遮って割り込んできたのは、先程話していた教師。

その背後では他の教員が慌ただしく走り回っている。

職員室から出て行った教師は、赤城の捜索に向かったのだろう。

「赤城先生は、授業が始まってから一度も来ていないんだな?」

切羽詰まったように早口で捲し立てる教師の唾がかかりそうで、
一歩身を引いてから響也は返答した。

「はい」

「休み時間に姿を見たか?」

始業ベルが鳴ってから職員室を出て行ったと、この教師は自分で言っていなかっただろうか。