時計仕掛けの宝石箱

響也は、階段を飛び下りて一階の廊下を小走りする蜜羽の姿を何ともなしに追った。

壁に阻まれて見えなくなったその人に対する想いの中に、
不安が入り交じり、様々な感情を掻き混ぜるような胸騒ぎを覚えていた。



‥何なんだ?この、異様な感覚は‥。



響也は無意識のうちに拳を作り、手のひらの汗を握り潰していた。

単なる不安じゃない。
何か嫌なモノが背筋を這い回る感覚に怖気(オゾケ)が走る。

「響也?
顔、真っ青だよ?大丈夫?」

「‥え」

不意にかけられた蜜羽の声に、響也は我に返った。

いつの間にか眼前に蜜羽が立っていた。

先を歩いていた蜜羽は響也が見えない事に気付いて、戻ってきたのだろう。