時計仕掛けの宝石箱

こういう時の蜜羽には逆らわない。

どんな面倒事であろうと、従っていた方がより面倒な問題と向き合わなくて済む。
これは幼い時に学んだ、今も有効な知恵だ。

付き合いが長い事に珍妙な感謝をしつつ、蜜羽を追ってドアに向かう。

極力音を立てないように引き戸を開け、蜜羽は出ていく。

「俺らがちょっと見てくるから、それまで自習してて」

響也は落ち着いた声音でそう言い残し、ブーイングを聞く前にドアを閉めた。