時計仕掛けの宝石箱







「鼻毛が出てる」

ガツン!!

「ふごうっ!」

耳を赤くした響也が繰り出した音速パンチを海斗はまともに食らい、
煙を上げて机に突っ伏した。

「そういう事は静かにそっと早く言えっ!」

意味の分からない罵声を浴びせて、響也は前に向き直った。

鼻を押さえてそれとなく視線を這わせる。

‥まさか、今のやりとりが聞こえていないだろうな?

そんな響也の心配はどうやら必要なかったようだ。

海斗の声が小さかった事と、周囲の会話がちらほらあった事が幸いしたらしく、
誰も響也達の方に視線を向けてはいない。

ほっ、と息を吐き、ハタと思い出した。

時計を見やると授業開始のチャイムから既に十分が経っている。

「‥おかしいな」