時計仕掛けの宝石箱

「も~っ。細かいトコロは気にするなよ。
そういえばさ!ハゲワシもまだまだ元気じゃねぇ?来年定年だってのにすげぇ地獄耳。
俺のいびきバレなくてマジ良かった~。
響也も驚いただろ?」

一人でぺらぺらと喋る海斗。

響也は頬杖をついて、溜め息を漏らした。

海斗のマシンガントークは今に始まった事ではない。これに付き合うのが響也の日課の一つでもある。

「いや、いつもの事だろ。
‥っていうか、お前また寝てたの?」

ちなみにハゲワシとは、先刻の数学教師の事だ。

禿げ気味(本人曰く、広いデコ)で鋭い目がらとって付けられた、哀れなあだ名だ。

響也は再度溜め息をついた。

ハゲワシの事よりも、いつでも授業中に爆睡する海斗に呆れ果てる。

「お前、ノートは?」

「分かりきった事を聞くなよ、響也」

取ってないのか。