時計仕掛けの宝石箱

単に席が近いからか、友人である響也が好きなのか、人懐っこく笑いかけてくる。

鬱陶しがる響也も、海斗は嫌いではなかった。

無駄にベタベタするのが嫌いで、人に合わせるのが苦手な響也だが、何故か海斗だけは大丈夫なのだ。

摩訶不思議な自分の心。

いや、自分に限らず皆そんなものなのだろうが、本当に謎である。

スタスタと机と人の森を掻い潜り、自分の席につく。

それに追従してきた海斗は前の席に座った。

「‥おい」

「だぁーいじょーぶだって!
ねぇ、コンチ!此処ちょっと借りるよー」

あっかるい笑顔と声で呼ばれたコンチこと、今野太一は、

「あー、うん。いいよぉ」

と生返事で了承した。

本人はゲームに夢中でどうでもいいようだ。

「どーよ、俺の巧みな話術!」

「話術じゃないだろ」