時計仕掛けの宝石箱

驚いた全員の視線の焦点には、ルシャアナの鬼面があった。

ギリギリと歯を食いしばる音が聞こえてくる程の怒りが露になっている。

そんな目線は、怒髪点に達したルシャアナには何の効果も示さなかった。

顎に骨が砕けんばかりに力を込めて、ルシャアナは資料を睨み付ける。

『人間を拉致し、邪鬼へと変化させている』

『元来より強力な邪鬼を製造』

『最終目標は人類の殲滅、人類を庇護するFGKの抹消』

‥どれもこれもルシャアナ、いや、このFGKを嘲笑っているようにしか見えない。

(‥これはFGK、如いては<扉>に対する宣戦布告なのでしょうね‥。

‥なんて‥小賢しい)

「‥でも‥」

苛立っていたルシャアナは、困惑したトーマの言葉によって思考を中断された。

当のトーマは資料を見つめたまま、固まっている。