時計仕掛けの宝石箱

キシ、と肘掛けが唸る。

震える程に強く握られたそれは、彼の心の軋みの映し身に他ならない。

「僕らにとって想定外の事だったけど、早急な対応で被害も殆ど増えなかった。‥それは不幸中の幸いだった。

僕達の存在が露見したら、困るからね。

でもあまりにも不自然な変化だったから、僕は妙だと思って独断で<三風神>に情報収集を頼んだ。

‥そして‥ある、非常に厄介な事が判明したんだ」

暗く歪められた彼の顔。思わずエディリーンは視線を泳がせる。

「‥恐れながら、ハロルド様。あまり口にしたくない事であるのでしたら、秘書に通す形でも良いのではないでしょうか」

努めて事務的に進言したエディリーンに彼‥ハロルドは表情を緩めた。