時計仕掛けの宝石箱

親しい友に話し掛けるように、彼は語り出した。

「‥獣鬼‥いや、彼らの原形の邪鬼(ジャキ)については、皆も知っていると思う。彼等は、人間から成るモノだ。

その変化‥いや『進化』と言った方が正しいのかな。

その過程や身体の異常発達等の詳細は、未だ明らかになってはいない」

顔を引き締め、彼は肘掛けを強く握った。

「でも地道な情報収集にも成果は着実に現れている。

邪鬼達は行動時間と行動範囲が限定されている事、また、ある一定の条件を満たす事で、『邪鬼→獣鬼→凶者(マガモノ)→鄙魄(ヒハク)』と‥より強力な存在になる事が判明したね。

‥しかし‥」

そこで彼は一度言葉を切り、目を閉じた。瞑想する彼は眉間を寄せて俯く。

「‥硝子が割れるように、あっさりと‥その境界線が消えた」