時計仕掛けの宝石箱

重々しい空気を一言で瓦解させたのは、温もりに満ちた青年の声だった。

彼の言葉を合図に、<jewel>は正面のその人に目を移した。

煌めく椅子に身体を預けるのは、秘密裏に動く組織とは全く関係ないようにしか見えない美青年。

白いシャツに濃緑のリボン。その上に深い赤のジャケットを羽織り、紺のパンツを身に纏った姿は、まさに高尚である。

小綺麗な風采の彼は、此処では場違いにしか感じ得ない。

しかし穏やかに微笑む彼こそ、この組織の創立者。

‥そして組織全ての者の頂点に立つ、最高司令官なのだ。

俄かに信じがたい事実は、そこに毅然として存在していた。