時計仕掛けの宝石箱

少し苛立たしげにトーマを睨む。それを感じ取ってトーマは慌てて付け足した。

「あ、だからさ、不自然じゃねぇ?ってコトなんだけど」

「‥‥主語を付けろ、主語を。いきなりで訳わかんねぇだろーが。

‥それに、ここは私語厳禁なんだから控えろよ」

溜め息くらいまで声量を落としてラディオルは叱責をする。

トーマは「ごめん、ごめん」と笑って返す。反省の色は無いようだ。

そしてラディオルの言葉などなかったかのように、トーマは僅かににじり寄ってきた。

「‥今回の任務、任務内容が漠然としてたじゃん。具体的な事は危険度(リスク)がSSランクって事だけ。

‥大体『敵対する組織が存在する事が発覚したため』って言ったって、俺達全員を呼ぶなんて、ちょっとヘンでしょ?」

普段は飄々としているくせに、こういう時の指摘は異様に鋭い。

下手をすれば幹部一かもしれないその洞察力は、年少でありながら最高幹部である所以を物語っている。

但し、他人の言う事を聞かないのは頂けないが。