時計仕掛けの宝石箱

「‥貴方は、どうするの?」

エディリーンは響也に視線を移す。

す、と立ち上がった響也は、自分より小柄なエディリーンに向かい合った。

「貴方にとっては、足手まといが増えるだけですが‥。
俺も、連れて行って欲しいです。

お願いします」


深々と頭を下げ、彼女に素直な気持ちを示す。

‥数瞬の後、エディリーンからくすりという声が聞こえた。

「顔を上げて」

声に従ってエディリーンの顔を見やると、薄く、しかし深い感情が瞳で輝いていた。

「‥分かったわ。
貴方達自身の目で、現実を確かめて、感じて。

私は、サポートさせてもらうわ」

ちょっと待ってね、とエディリーンは黒い携帯を取り出し、操作して、耳に当てる。


「ヒューリ?
‥‥あぁ、気にしないで。それはもういいわ。

‥だから、来なくて大丈夫よ。

‥そう。私が連れて戻るから、貴方はそのまま残っていて。

‥ありがとう。
それじゃ、また」


素早く携帯を閉じ、再び二人に視線を送った。

「もう、後戻りは出来ないわよ?」

どこか楽しそうな表情で、彼女は言った。