時計仕掛けの宝石箱

美しい模様が刻まれたベージュの壁は、獣鬼の体当たりで無残に破壊された。

まだ反響している轟音と粉砕した壁を見て、エディリーンは獣鬼の恐ろしい破壊力に舌を巻く。

(‥この音で、騒ぎにならなければいいけど‥)

ちらりと側の窓を見、小さく笑った。

(‥なら、騒ぎになる前に‥終わらせればいいことね)

壁が鈍い音を放って、メキメキと動き出した。衝撃から立ち直り、抜け出そうともがいているのか。

しかし、エディリーンはそんな暇を与えるつもりはない。

一瞬で短剣を抜き放ち、異常な形に盛り上がった壁に向かって投げ付けた。

女の細腕とは思えない速さで放たれた短剣は、壁にあっさりと吸い込まれた。






ガギィャアアァウウッ!!!






金属を擦り合わせたような声を聞き、エディリーンは一瞬間に<力>を使った。