時計仕掛けの宝石箱




ぶよぶよとした赤黒い脂肪。

エディリーンの二、三倍はあろうかという巨大さ。

異常なまでに細い、無数の手足。

ギョロギョロと蠢く五つの眼。

ねじれた口は、脂肪の重さで苦しそうである。



ここに来たのは偶然なのだろうかと、エディリーンは疑問視する。

だが、そんな思考は奇異な声を上げて突進してくる化け物‥獣鬼によって遮られた。

ただの直線的な体当たりだが、あの巨体をまともに喰らえば、鍛え上げたエディリーンでも確実に吹き飛ぶ。

ギリ、とフローリングの床を蹴り、横飛びに避ける。

その大きさからは信じられないスピードでエディリーンに迫っていた獣鬼は、急なエディリーンの動作には付いて行けず、



ドガアァンッッ!!




粉塵を上げていきおいよく壁に激突した。