時計仕掛けの宝石箱

ただぼんやりと異常な光景を眺めていた海斗の目に、ソレは映った。








獣のように四つん這いになり、こちらを見つめる巨大なモノを‥海斗は見つけてしまった。







ソレの間近にいた生徒は、海斗の視線を追って気付き、捩じくれた声を上げた。

その危機たる声を聞き、教室に一時の静寂が降りる。

皆の動きが止まり、ただ少年に視線を注ぐ。

それまで微動だにしなかったソレは、彼の絶叫と静寂の差異で目を覚ましたのか、
緩慢な動作で生徒に顔わ向けた。



「‥な‥な、に‥?‥あれ‥‥」



海斗の隣の席の女生徒が、震えた声で問う。

だが、誰もその問いに答える事が出来ず、彼女の声は虚しく散った。