時計仕掛けの宝石箱

‥なんだろ。この胸のモヤモヤ。

海斗は顔を顰(シカ)めて窓の外を見る。

強い日差しが校庭の奥の木立ちに刺さっているのが、よく分かる。

茹った空気のせいで歪んだ姿を認めて、溜め息をついた。

普段なら気にも止めない事なのに、
今日はこんなにも気になってしょうがないなんて‥。

「‥おい海斗。お前、今日は本当におかしいぞ?大丈夫か?」

「風邪でも引いたんじゃね?」

「あ~、分かった!
ズバリ、恋の病だろ?!」

「マジで?」

「相手は‥やっぱ月崎か?!」

勝手な解釈で勝手に盛り上がる一同に、
海斗は「そんなんじゃないって」と苦笑を浮かべながら、時計を見上げた。

響也達が出て行ってから、既に二十分が経過していた。