時計仕掛けの宝石箱

しかし、自分より一回りも二回りも大きな体が震えている事で、蜜羽は悟る。

きっと、何か恐ろしい事態が起きてしまったのだと。

それは響也にもまだ分からないが、一生懸命に蜜羽を守ろうとしてくれているのだと。

「響也‥」

大きく温かいその肢体に、自分の弱々しい腕を巻き付けた。

こんな事で響也の震えが静まるとは思えなかったが、
それでも蜜羽は響也を安心させたかった。



分かったから。

もういいから。

‥大丈夫だよ。



そんな意味を込めて、優しく抱こうとした。


だが、響也の背に触れる事は、出来なかった。



柔らかい何かが千切れる音。
ほぼ同時に、より強く抱きすくめられた一瞬に見えた、モノ。