水泡玉~先輩~




つれてこられたのは
更衣室の前の階段の近く


いきなり立ち止まった先輩にぶつかりそうになった

なんとか止まることはできたけど

そのときプール独特の塩素のにおいがして
気持ちが重くなった気がした。



『ごめん、
 あんなこと言って』


と優しく私の腕を放しながら先輩は言った

え?
怒ってるんじゃなかったの?

『無神経だった、
 ちゃんと分かってる
 俺だって・・・・』


と少し悲しそうな顔をした先輩

先輩、
先輩、
彼方はどうしてそんなにも
優しいんですか?


少し無理に私の気持ちに入ってきたのに
一気にその傷をなくしてしまう