天使の夜

「ねえ、見て。悠君」


私、天使になったの。


きれいでしょ?天使の羽。


私、空を飛べるようになったんだよ。


「結菜、逝かないで」


寝言でまた、悠君が私の名前を呼んだ。


「ごめんね、悠君」


私、そろそろ逝かないといけないの。


ちゃんとご飯食べてね。


面倒くさいからって、外食ばっかじゃダメだよ。


仕事も、ほどほどにね。


疲れたら、しっかり休んでね。


それから、新しい彼女。


ちゃんと作ってね。


いつまでも独りじゃ、寂しいでしょ?