「かわいい寝顔してる」


私はそっと、悠君の顔をなでた。


4つ年上の彼。


いつもは年上らしく、私を引っ張ってくれるのに。


寝顔だけは、私より幼く見える。


「まつ毛、なが~い」


頬をツンツン、突いてみる。


「起きないね」


いつもは私がちょっと触れただけで、結菜~って起きるのにね。


眠れないの?って優しい顔で私に聞いて。


私がうんって答えると、じゃあなんか話す?って眠い目をこすりながら言ってくれるの。


悠君とは、バイト先で出会った。


私が高2で、悠君が大学3年のとき。


それから私が大学生になって、同棲を始めた。


私の親に許しをもらうときの悠君、かっこよかったな。