鼓動が高鳴ってるのが自分で分かる。

君にも聞こえていたかもしれない。
勇気を振り絞った。


「あっ、あのさ。
緑高の子だよね?

もしよかったら、後ろのって行かない?

ほらっ、今の時間だと遅刻しちゃうからさ!」

最悪だオレ…一気にしゃべっちまった。

どうせ、えっ?いいです…みたいな感じて終わるんだよな。

「えっ?」

ほら来た。

「いいんですか?」

ほらやっぱり。




……

………

「えっ〜?!」

声出しちゃった?


「オレの後ろで良ければ…。」

まさかのオッケーだとは…。

「じゃあ、遠慮なく。」

その子は、オレの自転車の後ろに腰を掛けた。


「じゃあ、いい?いくよ!」


「うん!よろしくね!」





青春が始まった気がした。