緑川高校は、

  
通称…緑高(リョクコウ)と呼ばれている。
オレの家から、緑高までは自転車で約三十分。

時計を見て、飛ばせばギリギリ間に合う時間。

〜♪〜♪〜♪〜

携帯が鳴る。

「あっ、優太…もしもし?」

「―もしもし?ちゃんと起きたか?」

「う〜ん、ギリギリ?」

―田中 優太(タナカ ユウタ)
中学校の同級生。一緒に緑高に通う事になった親友。

「だっせぇなぁ。」

「うるせぇよ!
優太今どこいんの?」

「家。」

「ぶっ!まさか―?」

「おう、今起きた。」

「だっせ!」

「うるせぇ。だから、先いっとけ?
二人揃って遅刻じゃ、目つけられっから。」

「わかった。早くこいよ?」

「もち!またあとでな!」

電話を切る智也。
情けない友達同士だ。
よりによって、親友同士で寝坊とは…。

オレはくすっと笑って、自転車のスピードを上げた。

期待を胸に抱いて…。




まさか、この遅刻が………


ね?