「やっべー!!!!!」

こんな、叫びで始まった俺の一日。

「寝坊じゃんか。
おいおい、こんなありがちなスタートかよ。」

今日は入学式。
オレは、今日から…

都内の都立高校に通う。
受験を頑張ったおかげで、通いたかった高校に合格することができた。
都内でも有名な高校。

緑川高校。

頭がいいわけではない。
中の上くらい。
制服が都内でずば抜けて人気がある。
そのため倍率が高い。






急いで支度を済ませる。

顔洗って…歯を磨いて、綺麗にモカに染まった髪をセットして…ビビリながら開けたピアスをして、制服に着替えれば…

「高校生デビュー完成!
中学でモテなかったからな。
がんばるしかない!」


朝飯?食ってる暇なんかない。
母さんを起こすわけにもいかない。

母さん行ってくるね!
本当にありがとう。

と手紙を残す。


オレの家は、母子家庭。
母とオレの二人家族。

親父は小さいとき他の女とでていったよ。

それまでは、オレのことを女の手一つで母さんが育ててくれた。
高校まで行かせてもらえるなんて、有り難い話だ。

…とオレは心で思う。


ローファーを履き、マンションを出て、自転車にまたがり出発する。