千日紅が咲いている

 机に突っ伏したままの体制で顔をあげて、私を見上げてきた。

 大きな目だな。


「ヤスといるときどんな話してるわけ?」

「え?」

「想像つかねぇっていうかさ。
大輔とは付き合い長いし、恵ちゃんとも高3の体育祭以来の付き合いだけど、あんまり2人の話聞いたことないよなぁと」


 拗ねたように唇を突き出していた。

 私は意図的にしないようにしていた。

 ヤスにそんな話、したくなかった。

 私とただ話してほしかった。

 大輔の彼女としてじゃなくて、恵として接してほしかったから。

 でも、大輔まで話していなかったとは驚きだった。


「んー……テレビ見たり、ゲームしたり、カラオケ行ったり。
会話するっていうよりは何となく一緒にいる感じかも」


 冷めてるんだと思う。

 なんとなく付き合い続けているんだと思う。

 もうお決まりのパターンができ上がってる。

 気づけばキスしていて、目を開けたら天井を見上げてる。

 大輔は何も言わないけど、周りからは仲いいよねと言われるけど。

 中身はそうとは限らない。