千日紅が咲いている

 聞かれてた。

 見られていた可能性もある。

 あの扉の一部はガラスになっていて、見ようと思えば見えるから。


「むかつく」


 ひどく冷たい声音だった。

 下りた沈黙は、私にも重かった。


「なんてな」


 その沈黙は破ったのは、沈黙を作った張本人だった。


「とっくの昔に、恵ちゃんへの思いは断ち切ってるよ」


 ゴソッと動く音がした。


「恵ちゃんにどっちが好きって言うか……そのための体育祭の勝負だったんだからな」


 心臓が跳ねた。

 ヤスが私を好き――?