千日紅が咲いている

「あー、俺トイレ」

「行って来い」


 ふらふらとトイレに立ったのはヤスだった。

 大丈夫かなと思ったけど、私も十分酔っていた。

 二人よりはましかもしれないけれど、量的に。


「缶とか片付けとかないとね」


 ゴミ袋に詰めようと腰を上げたら、伸びてきた両手に引きずりおろされた。

 倒れこんだ大輔の胸の中。

 ぎゅっと抱きしめられた。

 私はパニックに陥った。

 ヤスがいるのに!


「ちょっと、大輔酔ってんの?ヤスが戻ってくるから…」

「関係ねぇよ」


 顔の寄せられた右耳。

 息がかかって、ぞくっとした。