千日紅が咲いている

 なんでこういうところに居合わせなきゃいけないのか。

 大輔と来ていたファミレス。

 そこにまたヤスと、あの女の子が二人で来たのだ。

 私だけだったなら声はかけれないけれど、大輔はそんなのお構いなしだ。

 ヤスは驚いて、私を見てから、さらに何とも言えない顔をした。

 私たちの席に連れてきて、大輔は言った。


「で、彼女?」

「ちげぇよ!」


 ヤスは慌てて否定していた。

 心が少しだけ元気になった。


「同じ研究室の子。似通った卒論内容で、今日データを取りに行ってたんだ。腹減ったから食べに来たんだよ」


 別にそんなんじゃねぇしといってふてくされる。

 笑ってしまった。

 女の子はそわそわしていた。

 それはそうだ。

 私たちとは全く面識ないんだから。


「ごめんね。私は恵。で、こっちは大輔。ヤスとは地元が一緒なの」

「あ、私は彩花です」


 はじかれたように言った彩花ちゃんは、小さく頭を下した。