千日紅が咲いている

 炊事場の下の棚には、ごっそりとインスタントが入っていた。

 呆れながらも、空腹の今はありがたい。

 こんな時間だと太るとかそんなの気にしちゃいられない。

 我慢するほうがいけないと思うし。

 大輔のうどんを取り出して、私は焼きそばにした。

 やかんを沸かしている間、私は部屋に戻ってテレビをつけた。

 ちょうどよくバラエティが始まった。

 ベッドに座って見ていることにする。

 大輔はまだベランダ。

 寒くないのかな、上半身裸で。

 まだ温かいけれど、さすがに夜は冷えだした。

 風邪ひいちゃうんじゃないかな。

 床に無造作に脱がされた上着を手に窓を開ける。


「大輔、上着きときなよ。風邪ひくよ」

「おう、サンキュー」


 大輔は笑った。

 無邪気に笑うから、心が痛かった。

 だからごめんね、と謝った。

 罪悪感を紛らわすために。