ふと思い出した過去のこと。

 机を挟んだ向こう側で、マイク片手に歌っている大輔を見た。

 あれから4年。

 同じ大学に進学して、学科は違うけど、なんやかんやと毎日一緒にいて。

 手もつないで、キスもして、エッチもして。

 やることやっても、罪悪感は私の胸を締め付け続けている。

 ごめんね。

 と、いつも謝っている。

 最悪、私。


 机に置いた携帯が震えた。

 それを見て表示された“康弘”の名前にドキッとした。


 <大輔にメールしたけど返信なし。一緒?>


と簡潔に書かれたメール。

 けど、胸は軽やかになる。


 <一緒だよ。カラオケ中。ヤスも来る?>


 返信して、携帯を太腿の上に置く。

 来たらすぐにわかるように。

 大輔は気にした様子もなく歌っている。

 この曲は長かったはず。

 まだ終わらない。


 <暇だし、行く!どこ?>


 すぐ返ってきたメールに、思わず笑顔になりながら返信した。