揺れているのは白色。

 ほしかったのは赤色。

 伸ばした手がつかみたかったのは、少し大きな手。

 横にいたかったのは、歩調の合うヤス。

 ふらふらしていた私が悪い。

 ふらふらすることを選んだ私が悪い。

 私は、悪い奴。

 悪人。

 罪人。

 永遠に続くかもしれない、いばら道。

 最低最悪な道。

 ヤスといるために選んだ道。

 大輔を利用した道。

 どちらに失礼な中間道。

 私はずっとふらふらするんだ。



 無言ではちまきを受け取った私に、大輔は満面の笑みをこぼした。

 心に罪悪感が巣食った瞬間。

 締め付けられて苦しくて、殺されるかと思った。