そんなあたしを見て春樹は笑った。。。

笑われたのなんて初めてだった

たいていの人はその時点で会話をやめる


でも春樹はちがった


『調理師ってすげぇよなぁ。。。
あんなにたくさんの料理作って
一皿一皿きれいに盛り付けてさ
まじ尊敬する!』


そんなこと考えたこともなかった
あたしはただ与えられた仕事をただ淡々とこなしてただけだったから


それから春樹はあたしを見かけるたびに声をかけてきた


くったくない満面の笑みを浮かべて


あたしにはあんなきれい笑顔できない


あたしは春樹が少しうらやましかった


気がつけば
春樹はいつもあたしのそばにいた

春樹は最初の印象とは全く違って
優しくて

真面目な男の子だった
忘年会の日も
つまらなそうなあたしが気になって
話しかけてきたらしい


そんな春樹に徐々に
あたしも心を開いていった


春樹の笑顔を見ていると安心した


春樹はときどき真剣な顔をして話をするときもあった


その目はどこか遠くの方を見つめてて


どこか儚げだった


そんな春樹にあたしはなんとなく近いものを感じてた