高校二年生の夏頃、
  

   
  私には好きな人が居た。


  でも、ホントに好きだったってわけじゃない。


  「彼氏なしとかさえないなぁー」


  お昼時騒がしい教室で

  消えそうなくらいの声で囁いた私、


  白石紗癒。




  「紗癒ー!私もー」


  そういったのは友達の


  夏野璃津。


  璃津は中学校からの仲である。