桜の恋心

ここは学校の校庭。
その一角に私の体はある。
私は桜の精霊、名前はまだないの。
この場所に生まれ育った私は毎日子供たちの楽しそうな声を聞いて過ごしている。

「いいなぁ、私も自由に動き回って遊びたいなぁ」
これは私の素直な気持ち。
この場所から動くことの出来ない私にとって、人間たちは羨ましいばかり。