10月3日。

ふと空を見上げたら月が綺麗だった。

オレンジ色の満月が夜道を照らすように輝いている。

思わず近くにあったビルの非常階段を駆け上がりカメラのシャッターを夢中で切った。


そして気が付くとそこは病室で足にはギブスをはめられていた。



…落ちたのか…。


『山田さんっ!』

「…なんで…名前…」

『すみません、身分確認でちょっとお荷物を…』

「別にいいですけど…」


『あっ、先生呼んできます。』


ペコリと頭を下げて看護師らしき人は行ってしまった。