「…」


ふ、と目が覚める。

私は、ベッドの上に、布団まで着て寝ていた。

起き上がる。

「…いった…──」

腹が痛い。



確か、肘か何かで殴られたような。


隣のベッドを見ると、由優が死んだように寝ていた。





「…起きた?」

「!」

日向がベッドに近付いてくる。
私は全身で敵意を表した。

でも、日向は困ったように頼りなく笑って由優の寝ているベッドの下から椅子を出して座る。






「隠れ、狼…?」


私が小さくそう言うと、日向は薄く笑った。

「正解」

「…そんな」

「怖かっただろ?自分でも怖い」

「──…」

「もう、信じてくれなくていいからさ」

日向は、凄く寂しそうにポツリと言った。

「由優を、今までどれだけ傷付けて来たか。もう謝れない」

「私、信じます」





日向の目が驚きの色を見せる。