由優の手が日向の手を捻る。 日向が顔を歪めて、由優の手を払おうとするが、必死で日向の手を私から遠ざけようとしていた。 「…っ」 私はその間に瑞穂の方へ走り、彼女を拘束する全てをはがしとった。 「映依…」 「逃げて!」 瑞穂が頷く。 「誰か…」 「呼ばないでいい…から」 瑞穂がゆっくりベッドから降りて、保健室から走り去る。 由優の、女の子みたいな声。 私は今日、 嫌というほど聞いた。