道のない甲子園



固まっていた部員も急いで、監督の前に集合した。

「知っていると思うが、裕太が正捕手になった。
空いているセカンドだが…今のところは海にやらせようと思ってる」
今のところは…?

他の部員も何人か良いのがいるのか?

「海。自己紹介しろ」

「はい」

命令ですか…。

「武内 海です。1年です。よろしくお願いします」

俺はそれだけ言うと元の場所に戻った。

「連絡は以上だ。各自練習を再開してくれ」

「「「「「はいっ」」」」」

「海は少し残れ」

「はい」


「マウンドに来い」

そう言うと、監督はスタスタ歩き出した。