「ふふっ、今日は早起きね?」

母が笑顔で言った。



「…レマ、おはよう」

父も笑顔。



…今日は早起き、なんかじゃないし
"あの夢"のせいで目が覚めてたんだし



低血圧な私は、それから特に会話する事なく座っていた。

そして、目の前に出された朝食。






ホウレン草と納豆の味噌汁。
豆腐とチーズのトースト。






「……」



……
…おかしい
…納豆の味噌汁って、おかしい
…豆腐のトーストって、おかしい



「…納豆、御飯だし…豆腐、味噌汁だし…」



ぶつぶつ言いながら、箸を持った。

昔からの習慣。

低血圧でも、毎朝出される味噌汁だけは手をつける事。



一口すすると、納豆の匂いと粘りが口いっぱいに広がる。



「……」



母の創作料理も、いい加減にして欲しいと。

改めて感じた。