「身長は175以上で、色白で小顔で足が長くて細身でスラッとしてるけど実は強くて、でも優しくて笑顔が爽やかでそれでいて頼りになって……」


「あ、もう結構でーす。てか、前聞いたときより増えてんだけど!」


「えへ☆」


千夏に突っ込まれあたしはかわいこぶって首を傾げてみる。



「そんなヤツ、マンガか芸能界でしか存在しないぞ。現実を見ろ。」


「見てるよー。だからいないんじゃんか!」


「結局麻衣は2次元でしか恋できないってことだよ。」


「そんなオタク扱いやめてーっ!」




理想高いのかなぁ?

でも、恋をするならやっぱり恋愛ドラマとかマンガみたいにベタでキラキラした恋愛に憧れる。




「なんだかんだ言ってもベタが一番いーんだよなぁ…」



手を合わせて天井をため息混じりに眺める。


「ベタねぇ…遅刻しちゃうーってパンくわえたまま家飛び出したら曲がり角で超イケメンとぶつかって、もう何なのよアイツ~!って思って学校行ったら転校生ですって紹介されて、二人してあー!みたいな?」



國政が鼻で笑って言った。




「そうそう!そーゆーの!そーゆーのが欲しいんだよ!」



あたしは目を輝かせて國政を見る。