「それで?麻衣はなんて言ったの?」


「勉強より大切なものがあると思います!って…そしたら教科書のカドで殺されかけた。」



本棚に本を戻しながらさっきのことを一部始終話す。



「そりゃ怒られるよ!バカじゃないの!」



千夏が眉間にシワを寄せて言った。



「そういうのは成績優秀なヤツが言うセリフで小泉は死んでも使っちゃいけない言葉だぞ。」


「てか、麻衣が言う勉強より大切なものって何よ?」


「んー……恋愛?あはっ☆」



「…コレは筋金入りのバカだな。」


「おい!」



あたしはとなりにいた國政の横腹にパンチを入れた。



「つーかアンタ、彼氏いないじゃん。むしろ好きな人すらいないじゃん。」


「まぁね!」


「なぜに誇らしげ!?」



千夏の言う通り、あたしには彼氏もいなけりゃ好きな人すらいない。


高校生がこんなんでいーんだろうか!


自分でも思う。


「小泉って中身はともかく、外見はまぁまぁいいほうだと思うんだけどなぁ…」



中身はともかく!?



「麻衣は理想が高すぎるんだよー。」


「そんなことないし!」


「じゃあタイプ言ってみてよ。」