俺たちが真美に初めて会ったのは中2のときだった。



中2でクラス替えがあって、中1で別々のクラスになった俺とヒナは2年で一緒になった。



「おはようございますっ!」



始業式の日から堂々と遅刻してきた女子がいて、


それが真美だった。



「こら、伊藤!始業式の日から遅刻してくるとはなめとんのか!」


「寝坊しちゃって…すみません☆」



えへへと真美が笑うとその場が和んだ。



伊藤真美。


席はヒナのとなりだった。


俺もヒナも初めは真美のことをなんとも思ってなかった。


真美はクラスの中でも目立つような存在じゃなかったけど、かわいくて気の効く優しい子で、まわりに流されないしっかりしたヤツで、


何より、


俺たちを特別扱いせずフツーの男子として接してくれた。


今までキャーキャー騒ぐ女子とは違った。



「ガーン!みてみて!数学のテスト20点だってさ!笑える!」



真美はあんまり頭は良くなかったけどムダにポジティブでいつもヘラヘラ笑ってた。


うらやましいくらい。