「べ、別に!普通ですが!」


「ま、どう考えても“旭!”と、なんかあったよね。」


「どわっ!ギャー!痛いー!」



今度は手に持っていたガムテープが足に落下。



「麻衣ちゃんってホント分かりやすいね~!」


「ったく…隠してもバレバレだっつーの。で、何があったわけ?」


千夏にヒジでこつかれあたしはヨロヨロとバランスを崩した。



「いや…ちょっとここでは…」


「まさかチューしちゃったとか~?」


「なななななに言ってんの!!」



「うわっ!まさかの図星!」


「キャー!そうなの麻衣ちゃん!?」


「ちょちょちょっとー!」


ヒーッ!
恥ずかしすぎる!
やめてくれっ!



慌ててうろたえた拍子に誰かに思い切りぶつかった。



「わっ!ごめん!」


「…大丈夫か。」



後ろにいたのは陽。よろけたあたしの身体を支えるとパッと手を離した。



「ありがと!」


「ハシャギすぎてケガすんなよ。」


「は、はい……」



そう言うと陽は大道具の係に戻っていった。


なんか…あの日から妙に陽が優しい…気がする…けど、気のせいかな…


それともあれが本当の陽?


旭も本当は良いヤツって言ってたし…