あれから数日が経ち、気付けば明日は学祭という日までさし迫っていた。



みんなが忙しく準備に取り掛かる中、あたしは上の空…



理由はただひとつ。




「旭ー。こっちも手伝ってー!」


「…ぎゃ!いったー!」







市瀬旭のこと。




窓ガラスに黒幕を貼り付けていたが、動揺からガムテープを落とし思いっきり頭に直撃した。



「麻衣ちゃん大丈夫!?」


「う、うん…なんとか…」



あの日から旭のことが気になって色んなことが手につかないんだよね…



『本当に、好き。』



思い出すだけで顔が熱い…



好き…かあ…



あんなにハッキリ言われたの、初めてだな…


しかもイケメンに…



夢みたいな話だよ…



結局あれから特に何も変わってないんだよね…


付き合うわけでもないし、あたしも「好き」とは言ってない。


なんとなく言いそびれちゃったってゆーか…


そもそもあたしは旭のことが好き……なのかな…?


自分のことなのに自分の気持ちがわかんないよ。



「なんか最近麻衣、変じゃない?」


「へ!?」





千夏が横から鋭くツッコんだ。