「俺、麻衣のこと本気で好きになっちゃったみたい。」








………………は?








す、好き?





あたしの思考回路が一瞬にして停止した。



「俺ってこんなんだからふざけてるって思われるかもしんないけど、本当に、好き。麻衣の素直でかわいくて優しいとこ、大好きだよ。」




旭のまっすぐで真剣な目はあたしの心を揺さぶる。


いつもの旭じゃない。


ちゃんと目を合わせなくちゃ…わかってるけど…心臓が大きく脈を打ってまともに顔を見れない。







「麻衣は、俺のこと……嫌い?」




嫌い。


軽くてチャラくてすぐに好きとか言っちゃうようなやつ、大嫌い。



大嫌いだったハズなのに……



なんでこんなにドキドキするんだろう…


あたし……もしかしたら………




「……じゃない…。」


「え?」


「旭のこと、嫌いじゃないよ…。」



顔をあげると旭の顔が間近にあって一気に赤くなった。


何度見ても思う。


やっぱりカッコいい。


次の瞬間、旭の顔がそっと近付いてあたしは旭とキスをしていた。


それは遠足のときみたいに事故なんかじゃなくって、自然と出来てしまったキスで、嫌じゃないなって、


そう思った。