「なに言ってんの!?やめてよ!」


「麻衣がケガしてんのに黙ってろっつーの!?ふざけんな!」


「本当にいいんだってば!!ちゃんと謝ってもらったし…陽が色々言ってくれたから…」


「…ヒナが?」


「うん…たまたまその現場見てたみたいで…ちゃんと怒ってくれたし…本当、大丈夫だから…」


そこまで言うと旭は「はあ…」と大きくため息をつき、ようやくいつもの旭に戻った。



「…本当にごめん。俺のせいだね…」


「旭が謝ることじゃないでしょ。」


「でも…結果的には俺のせいじゃんか?俺、全然何にも考えてなくて…本当ごめん。前にもヒナに怒られてたのに…また忘れてた。」

前にもって…
なんだろう……



いつになくシュンとした旭だったが、一息つくとそっと上履きを履かせてくれた。



「俺、ヒナと違って色んな人と友達になりたいってタチだからさ…男の子だけじゃなくて女の子とも仲良くしてきた。だけどそれは友達としてで…麻衣は…麻衣は違うんだ。」



「…違う?」


「麻衣は俺の中では特別で…そのへんの女の子とは違う。」


そう言うと旭はあたしのとなりに座った。身体は密着していて、旭の体温を感じる。