「…………親父が、昨日ウチに来た。」


「えっ!?」


「それで………今まで悪かったって………謝った。父親らしいことをなにひとつしてやらなかったことを反省してるって……」



「…………………」



「あの親父がいきなり、なんの脈略もなくそんなことを言うわけがない…ウチの事情と親父を知ってるやつといえば、お前しかいない……なに言った。」


「そ、それは……………………」



そこまで言いかけて言葉に詰まっていると、頭の上にポンと陽が手を置いた。



「…………まあ…いい…。」


「へ…?」



「余計なことされて確かに腹は立ったけど…俺たち以外に親父にたて突くヤツなんて今までいなかったし…あのクソ親父が頭下げるとこも初めて見た。それは…やっぱり…お前のお………おかげだと…思ってるし…」



陽…………



「今さら親父らしくされても、やっぱりすんなりすぐに受け入れることはできない……それは旭も一緒だ。だけど、少しずつ……歩み寄れればいいと思ってる………」



「うん…」



「だから…………とな…」


「え?」


「ありがとなって言ったんだよ!ちゃんと聞いとけアホ!」


「あたっ!」


陽は照れくさそうにそう言うとバシッと頭を叩いた。