「………ひ、陽!」



あたしの腕をガッツリ掴んでいたのは陽。



「………よう。」


「…よ、よう………」


な、なんだろう…



久し振りに会う陽の顔はどこか穏やかだった。



「……ちょっと来い。」


「え?」


「いいから来い!」



そう言うと陽はあたしの腕をつかんだままスタスタと歩き始めた。その間、会話は全くない。


しばらく歩いて行くと人気のない公園についた。


「……座れ。」


「はい………」



促されるようにベンチに腰かけると、陽が大きくため息をつく。



…………陽?







「お前……なにした。」



「え?」



「…親父に、なんか言っただろ。」





そう言われ、心臓がドキリとする。



ど、どうしよう……



やっぱりあたしが言ったことで何か変わったのかな…


迷惑かけたのかも……


「……ご、ごめん。」


「やっぱてめぇか…なに余計なことしてんだよ。人んちの問題にズカズカ踏み込んでくんじゃねえ。」



陽のストレートな言葉が胸にささる。


そうだよね…


あたしは踏み込んでほしくない領域を超えたことをしちゃったんだよね…


返す言葉が見つからないあたしは黙ったまま足元を見つめた。