「…さぁ?多分ないと思うよ。箱も手紙もしっかり封したまんまだったし…少なくとも読んでたらきっと今よりマシな父親になってたでしょ…。」


「…あれ、読んでもらおうとか思わないの?」


「今さら読んだとこで何も変わらないでしょ。」


「だけど……!」



そこまで言いかけたとき、旭があたしの頭にポンと手を置いた。



「麻衣…麻衣の俺たちを心配する気持ちはスゴくうれしいよ。だけど…これはウチの問題だから…麻衣が気にすることないよ?ありがと。」




旭は優しく微笑んでいたけれど、その言葉はどこか冷めていて全てを諦めているようだった。