「あのさ、旭…」


「んー?」


「さっきの…お母さんの手紙なんだけど…」


「あぁ…。」


「あれってさ…ほかに、もうひとつあったりしないの?」


「へっ?…どういう意味?」


「いや、えっと…あの手紙はホントにあれだけだったのかなー…って。」


あたしの問い掛けに旭はますます不思議そうに首を傾げた。


「…あれしかないけど?なんで?」


「あ、いや、ちょっと聞いてみただけ!」


「そう?」



そういえば…そもそもあのアルバムと手紙は一体いつ受け取ったんだろう…お母さんから直接は受け取れないし…お父さん?


あたしの考えを察したのか旭は顔をのぞきこんだあとクスッと笑った。



「あのアルバムと手紙はね、俺たちが小学生くらいのときに箱に入ってるのを見つけたんだ。」


「見つけた?」


「きっとホントは母親から死んだら渡すように親父に託されてたんだろうけど、あのひねくれものの親父だからね…物置にずっと閉まったままだったみたいで、俺とヒナで物置部屋をあさってたら偶然見つけたってわけ。」


「へー………お父さんはさ、中の手紙読んだことあるのかな?」